In Silicon Valley

9月の終わりに10日間ほどシリコンバレーに行ってきた。
鹿児島大学が毎年行っているBusiness Tripに我々の研究科の教授である田辺先生と主催者井出先生がご縁があり、参加させて頂いた。東工大は昨年から参加させて頂いており、今回は先生も含めたら参加者は合計で5人であった。一緒に行くはずであった仲が良い友達が、9月初旬に腸の手術を行い行けなくなってしまった。その為、個人的には多少の不安も感じつつ参加することになった。

日本人 in シリコンバレー

シリコンバレーでは、シリコンバレーから日本を見ている人たちの話を多く聞いた。日本に対しいてのネガティブな意見が多く見える中、発表やお話の中で感じたことは、やはり日本が好きなんだと。だから厳しいことも言えるし、日本をよりよく見ている。自分からすれば、特に日本レベルでの異常や危惧を持つことが少なく、また日本にいるからこそ日本と諸外国の比較を行うことが難しいと言える。今回の研修ではそこが個人的には良い意味でも悪い意味でも引っかかるポイントとなった。

個人が

自分の意見をその場で言う。言わないとそこに存在意義がなくなってしまう。ということを自分は大学院に入学してから強く意識している。周りが社会人ということもあって、学部から進学したフルタイムの学生は勿論、下に見られて当然と言うスタンスで個人的には過ごしてきていて、だからこそ個人の意見をぶつけられるし、中心クラスターである30-40歳くらいの社会人のベースを見ることができる。スタンフォード大学半導体で有名な西先生の講義も受け、その中でも同じようなところを指摘していた。日本人は講義中に教授の話を遮って質問をしない。もっと講義中はインタラクティブである事が授業のクオリティを上げるべきだ。これは東工大の藤村先生も同じ点を指摘しており、昨日のR&D戦略の講義では、「授業とは、生業を授けること、講義とは、正義を講ずること」とおっしゃっていた。つまり、大学はそれぞれの教授の正しいと思う事を講ずる形式で学生もそれに対して意見をインタラクティブに交わしていく必要があり、また高校までの授業とは、生業を授けることで社会で生きていくために必要なものを学んで行くスタイルのため、一概にインタラクティブ性が必要とは言えないのである。

梅田さんと

周りの方々に恵まれて、梅田望夫さんとシリコンバレーにてお話出来る機会を頂いた。
話の前後がなく、唐突に思われるかもしれませんが、お話させて頂いた中で印象に残ったポイントを書きます。

「自己に対する考え方が幼稚園レベルである。大学生レベルにならなければ駄目だ。」

自分自身の自己に対する考えの甘さがありました。というのも自分自身の事なのにあまりに自己の事を分かっていない。学部三年の時にある程度は自己分析をしたつもりであった。大学院に進むあたり、それになりに自己の事を説明できるようになったつもりでいた。確かに、自己分析にゴールはない。だけど、先を目指さない限り、自分を知らない限り、より自分にとってエキサイティングな人生は歩めないと感じました。

前日に鹿児島大学東京工業大学の意識の違いについて両大学の方々4人と話をしていました。もっと鹿児島大学の人たちは考えに対してオープンであるべきじゃないか、もっと知的好奇心を持った方が良いのではないか、上昇志向になった方が良いのではないかなど。また、我々に対しては、もっと日本の大学生事情を知るべき、地方の大学生を知り理解することが日本に企業を勝ち抜くコツであるなどである。そういった議論の中での疑問があったため、梅田さんに聞きたい話の一つとしてぶつけてみようと考えました。

「もっと日本をオープンな社会にした」

反省点として、シリコンバレーにまで来て鹿児島大学について考え、梅田さんに質問することはナンセンスですね。それよりも自分のしたいこと、なりたいものに対して真摯にシリコンバレーと言う地を絡めながらご質問するべきでした。

上記の質問をした後、「本当に社会のことを真剣に考えるなら、政治家や官僚になれ」と御助言頂きました。

私は以前に政治家の方とともに活動をしたことがあるのですが、しがらみや社会のための直接的な活動が十分に行うことが出来ない点であきらめたことがありました。自分自身の意識の中で、社会に貢献しなくては、日本に貢献しなくては
言う無意識な感情がありました。そのような外部から流入する感情を優先にするのではなく、私が誰で、この人生で何をしたいのかを毎日24時間考え、今出せる方向を見出して生きたいです。

はてな 近藤社長よりライフネット生命 岩瀬大輔さんのように」

今回、一番感動した梅田さんからのお話で、はてな近藤さんを目指すか、ライフネット生命の岩瀬さんを目指すかという問いです。私自身、おそらく無意識の中で答えは出ていたのですが、言語化・具体化することで、目標とすべき自分が一歩具体化できたと感じています。あのお話の中で気づけた多くの自分が、きっと今後、もっともっと理解するよう努力しなさいとお告げ(?)に聞こえました。。

今回の梅田さんとのお話でこれからもっともっと自分の頭で自分なりに考え、自分なりの答えを探し続けたいと思います。

最後に

運命かどうかは分からないが、今回のBusiness Tripでは多くの人たちにお世話になった。鹿児島大学の方々、東工大で一緒に行った方々、現地の我々に講演してくださった方々。本当に感謝してもしつくせません。

以下はハーバード大学MBA(通称HBS)に留学してらした現ライフネット生命副社長の岩瀬さんの「ハーバード留学記」の「卒業 - 2006/6/7」から個人的に心を打った文章を引用します。

“Tell me, what is it you plan to do
with your one wild and precious life?”
~ Mary Oliver, Pulitzer Prize winning poet


「さぁ教えてください、
一度しかない、あなたのワイルドでかけがえのない人生を、
あなたはどう生きていくのですか?」

http://hbslife.exblog.jp/


そう、私のかけがえのない人生は一回きり。私はどう生きていくのでしょうか。どう生きていきたいのでしょうか。